現在、日本におけるPCの普及率は50%を大きく上回っており、特に若い人々での普及については目を見張るものがあります。 皆さんも大学のレポート作成のためにワープロや表計算ソフトを用いたり、インターネットでの情報収集をしたり、ゲームなどをするためにPCを使用されていることと思います。 今では勉強にも生活にも欠かせない感があるPCですが、ハードウェアの面においてPCがどのようなパーツを用いて処理を行っているかはご存じない方が多いと思います。 そこで本稿では、ハードウェアについての基礎的な解説を行いたいと思います。
PCが最低限動作するためには、以下のパーツが必要となります。
以上のパーツが一つでも欠けると、基本的にはPCは動きません。 もちろん、これ以外にも音を出すためのサウンドカード(チップ)や、CD-ROMドライブ、フロッピーディスクドライブなどは必須と言えますが、今回は上記のパーツのうちCPU、メモリ、ハードディスクについての解説を特に重点的に行いたいと思います。 それでは、各パーツの解説を行いましょう。
日本語で中央演算処理装置と呼ばれるように、CPUに必要な計算処理を司る最も重要なパーツです。 現在最もメジャーなIntel社の「Pentium 4」などは、みなさんもCMで耳にした事があるかと思います。 当然、処理能力が高速なCPUほど性能が高く、価格も高くなっています。 処理速度が高速になると、OSやアプリケーションの起動が速くなり、当然アプリケーション使用時の動作も速くなります。 この処理速度を表す値が、みなさんも耳にしたことがあるであろう「Hz(ヘルツ)」です。 これはクロック周波数と言い、この値が大きい程処理速度は速くなります。 ちなみに2003年3月現在最も速いCPUの周波数は3GHz(ギガヘルツ)です。 この値のCPUになると既存のアプリケーションを快適に動かすのには十分すぎて、一般ユーザーが購入するには勿体無い感があります。 また、最大クロック周波数は1年半〜2年で倍化すると言われており、あまりに高額なCPUを購入しても1年もすれば購入時の数分の1になってしまうのが現状です。
一般的に、比較的快適にPCを動かせる限界のクロック周波数は、その時最も高速なCPUの4分の1の値だと言われています。 現在でいうと、3GHzの4分の1ですから、0.75GHz、つまり750MHz(1GHz = 約1000MHz)以上の値を持っていれば十分だということになります。 しかし、これはあくまで一般論で、例えば流行のゲーム、FFXIのような新しいものになると処理を多く行うため高速な処理を必要とします。 また逆に、ワープロソフトの使用やインターネットを軽く行うだけであれば、その必要な処理速度を考えると750MHzもあれば十分なのです。 ゆえに先述の通り処理速度が高速なほど高額なのですから、無駄なコスト消費を避けるために使用する目的に応じて選択することが重要なのです。
文章データやプログラムデータを記憶できるパーツです。 ここで述べるメモリとは、メインメモリと言い、ROM(リード・オンリー・メモリ: データ読み込み専用のメモリ、電源を切っても内容は保存されている)ではなく、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)になります。 これはROMと違って電源を切ると内容も消去されてしまうのですが、このメモリも非常に重要な役割を担っています。 PCが処理を行うには、OSやアプリケーションから要求された処理をCPUが実行する際、必要なデータを補助記憶装置(ハードディスクなど)から、メインメモリに一時的に記憶させることによって、より高速な情報処理が可能になります。 これは、補助記憶装置よりメインメモリの方がデータの入出力速度が速い事によります。
このメインメモリが不足すると、データの処理が円滑に行えなくなり、PCの動作が遅くなるのです。 例えるならば、メモリはデータをCPUとその他の処理装置に運ぶためのパイプとおくと、このパイプが細ければ中でデータが詰まってしまい、動かなくなります。 これが現実には動作速度の遅さに現れてくるというわけなのです。
メモリの必要量は、OSに左右されるところが大きいのです。 これは、OSによってメモリの使い方に差があり、OSによってはメモリを大量に積んでもそれを使い切れずに無駄遣いしてしまうこともありますし、また積んだ分だけ利用するOSもありますから、ここもCPUと同様に臨機応変に容量を選択することが重要になります。
一般的には、Windows 98なら64MB(メガバイト)、Windows 2000なら128MB、そしてWindows XPならば256MBは快適な動作のために必要とされています。
アプリケーションやデータを保存する記憶装置で、HDやHDDと表記されることがあります。 メインメモリと違い、恒常的なデータの保存が可能です。 しかし、ハードディスクは内部で駆動しているためにいつかは磨耗などで故障してしまいデータが消えてしまいます。 おおまかに5年以上経過したハードディスクはそのような故障が発生する可能性が高いと言われています。
現在、標準的なハードディスクの容量は、80〜120GB(ギガバイト)程度であり、これは一般的な使用においては全く問題がありません。 しかし、より大きなデータを取り扱う場合には追加することが可能です。 ハードディスクは、PCに対して色々な接続手段、例えばUSB(ユーエスビー)やSCSI(スカジー)などといった規格に対応しているものもあり、比較的簡単に補強ができるパーツでもあります。
ハードディスクは、基本的に容量が大きい程データの転送速度も高速になります。 しかし、ハードディスクもまたOSなどに左右される事があり、あまりに大容量のハードディスクを購入してもOSが認識しなかったり、またPC自体がハードディスクを認識できなかったりすることになってしまいます。
まずマザーボードについてですが、これは名前の通りPCの基幹になるパーツです。 このマザーボードにCPUやメモリ、ビデオカードを装着し、電源やハードディスクとケーブルで接続する事によりはじめてPCが通常の動作を行えます。 マザーボードの構造は非常に難解で、1からの解説をはじめると終わりが見えないので、今回は割愛させていただきます。
次にビデオカードは、これも名前の通り映像の入出力やそれに伴う処理の大半を請け負っています。 実はビデオカードには、カード自体に映像処理専用の処理装置(GPU)が付属しており、これによってCPUの負担を軽減させています。 また、専用のメモリ(VRAM)によってより高速に映像の処理を行えるようになっているのです。 PCでの映像画像処理、例えばキャプチャリングやイラストを書く場合には、最も重要なパーツであると言えますが、通常はメモリの様に差し替えが可能なのですが、メーカー製の一部のマザーボードには予めこの機能が載せてある(ビデオオンボード)場合には補強が不可能になっている場合があるので注意が必要です。
ディスプレイなどは、CRTと呼ばれる旧来のPCに付属していたディスプレイよりも、最近普及している液晶ディスプレイの方が目へのダメージが少ないのですが、価格的に見た場合にはCRTディスプレイが大きく有利であったり、またキーボードやマウスなのは高額な商品ほどタイピングがし易くなったり、長時間仕事でPCを使う場合には肩こりの防止に役立ちます。 直接触れて操作を行ったり見たりするパーツなために、金銭面の出費がPCの高速化ではなく、操作の快適性や健康面に費やされるために個々人の趣向が大きく反映されることになります。
では、実際に市販されているPCのスペック表をみながら、各パーツについてのより詳細な説明に入りたいと思います。
ここでAthlon XPと言う名前のCPUが使用されています。 これは、Intel社の製品ではなく、AMD社の製品です。 このCPUはコストパフォーマンスに優れており、部分によってはPentium 4を凌ぐ性能を発揮しています。 AMD社はAthlon開発後、Intel社のライバルとして名を馳せるようになりました。 蛇足ですが、ローエンド製品にみかけるCeleronやDuronといった製品はそれぞれIntel社とAMD社の低価格帯用のCPUになっており、これもそれぞれコストパフォーマンスに優れています。
さて、ここで注目しなければならないのが、2100+という数字です。 これはモデルナンバーといい、直接的なクロック周波数の2.1GHzを表しているのではありません。 実際、Athlon XP 2100+のクロック周波数は1.73GHzです。 モデルナンバーとは、ライバル製品であるPentium 4のクロック周波数に置き換えた数字、つまり、Athlon XP 2100+とは、Pentium4の2.1GHzに匹敵する性能を叩き出せるとAMD社が判断したCPUということになります。 Athlon XPのモデルナンバーとクロック周波数が同じPentium 4を比べると、Athlonが肉薄し、ある部分では追い抜きますが、クロック周波数やその他の性能差の問題で多くはPentium 4が上回る事になります。 もちろん、同じクロック周波数ならば性能もほぼ同じ、もしくはAthlon XPの方が上回るのです。 とはいえ、現状では最大クロック周波数ではIntel社が3GHzオーバー、AMD社が2.17GHzとIntel社が大きくリードしており、AMD社のモデルナンバー採用もそういったクロック周波数の不利を考慮した苦肉の策ともとれてしまいます。
ところで、CPUにはクロック周波数だけでなく、他の技術による特徴づけもなされています。 Pentium 4は、CMで大きく宣伝している通り音楽データや動画のエンコードなどといったマルチメディア系統の処理に強くなっています。 一方Athlonはゲームやプログラミングなどの処理に強いのです。 しかし、この差はあまり気にしすぎる必要は無く、参考程度にとどめて置いておくのがよいでしょう。
CPUについての結論として、ブランド名を必要以上に意識する必要は全くないので、あまり意固地に特定のブランドにこだわると予算の面でも性能の面でも損をしてしまう事になります。
まず容量としては256MBと必要最低限の量は満たしています。 さて、そこで疑問になるのが括弧書きされているDDR SDRAM-DIMMと言う単語です。
これは、メモリモジュールと言って、非常に簡単に説明するとメモリの接続部分の種類を現しています。 現在の主流がこのPCでも採用されているDDR SDRAMという種類です。 次にPC2100という数字が目に入ります。 これも簡単に説明するとこのメモリのデータ転送速度を表しており、この数字が大きいほど転送速度が高速だということになります。 しかし、一つのPCの中に転送速度が違うメモリを入れるのはシステムが不安定になります。 また、このPCのメモリを増強する場合はメモリの種類がDDR SDRAMのPC2100であることと、購入するメモリの容量を店員に告げることができれば十分ですが、最大容量1GBを超えないことと、1つのメモリについて512MBを超えないように注意しなければなりません。 これは、このPCのマザーボードの種類から、にメモリを装着できる場所が2箇所あり、1箇所の容量認識の限界が512 MBである事が起因しています。
このPCに載っているビデオチップはマザーボードに直付けしてあるオンボードタイプのものなので、後からの変更は不可能になっています。 また、ビデオメモリ、つまりVRAMもメインメモリから調達してくることからもわかるようにあまり性能面で高いとは言えません。 もし、動画編集や、3Dゲームを主目的に置く場合にはこのPCは決して推奨できるものではありません。 では、そのように動画編集や3Dゲームを行いたい場合のビデオチップとはどのようなものなのでしょうか。
現在、CPUと同じくいくつかある中でも大きく分けて2つのビデオチップが凌ぎを削っています、それはGeForceと呼ばれるチップとRADEONと呼ばれるチップです。 これらは比較的速いペースでモデルチェンジを繰り返していますが、価格としてビデオカード単体で2万円弱の製品は十分使用に耐えることが出来ます。
では、メーカー製のPCの場合はどうすればよいでしょうか。 それは、スペック表をよく見て、上記の2つのシリーズであるか確認する事が最も簡単だと思われます。 そのような時、少しでもわからなければ店員に「GeForceシリーズを搭載しているモデルはありますか?」などとポイントを押さえて聞くのがよいでしょう。
ハードディスクについては、容量を確認して、自分の用途で不足が無いかを確認すれば十分です。 また、ドライブ類についても個々確認は必要ですが、現在、よほど低予算ではない限りCD-R/RW、DVD-ROMは最低限付属しています。 このPCにはDVD-R/RWも付いていますが、DVDのライティング方法については今だ2つの未互換規格が競争を行っているので注意が必要です。
他にも、テレビチューナーが付属しているので、PCでテレビを見たい人には良い付加性能になることでしょう。
さて、今までこのPCについてハード面からの検証を簡単に行ったわけですが、これを踏まえるとこのPCはチューナーを積んでいるもののビデオチップの問題からバリバリに動画編集や3Dゲームを行うには少し物足りない感じがします。 しかし、インターネットやワープロ、表計算ソフトの使用などにはCPUやメモリ、ハードディスクの容量から考えても十分な性能を発揮できます。
結論としては、初心者にとっては、既知のPCの用途に加えチューナー付属によるテレビ鑑賞、録画、そして簡単な編集が可能なので魅力的な製品といえるでしょう。 しかし、それは中途半端な性能、ともいえるのでPCの使用目的が明確な人にはお勧めできない、ということです。
今まで外見やドライブなどでPCを選択されていたとしたら、本稿を読まれてこれからは少し目的に応じて性能の面からもPCを見ていただけると幸いです。